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第2回 銀行内部での手続き|取引先倒産!そのとき[銀行員ドットコム]

各金融機関によって、その手続き方法に若干の違いがあると思いますが、私もそうでしたが、取引先が倒産したときにどうしたらいいのか、身近に詳しい人がいないととても不安になりますし、手続き関係のマニュアルを読む暇さえないというくらい、初期対応が大切なときですので、基本的なもの=最も大切なことを掲載します。

(1) 倒産手続きの申立事実を確認します(受理証明または受付票コピーを入手します) :
通常、取引先から倒産した旨のFAXが送られておしまいです。すぐに、会社に行きましょう!
(2) 預金払出停止処理 :
法人口座、代表者の口座等の払出停止手続きをします。また、預金担保や第三者担保提供、代表者の保証がある場合は、保証履行の可能性もありますので早急に、残高、口座、取引履歴を確認しましょう。
(3) 期限の利益喪失(当然喪失)。倒産は、銀行取引約定書では、当然に期限の利益喪失事項になりますが、古いバージョンの銀行取引約定書では、民事再生の項目が無いことから、通知により、期限の利益が喪失することになる可能性もあります
(4) 保証人に保証債務履行督促通知書を発送(保証人預金との相殺等を検討)
(5) 当座預金の強制解約、手形・小切手帳の回収 :
メインバンク以外では、極力、当座預金の解約や、その後の手形事故回避の観点から、手形や小切手帳を回収しましょう。
(6) 情報の収集 :
私も経験していますが、とにかく、倒産の事実を確認すべく、本社や工場へ情報確認に行きましょう。他の債権者の動向をチェックする意味でも大変大切です。自動販売機が撤去されていたり、取り立てに大勢来ていたりとする場合もあります。
(7) 関係各部・支店への連絡 :
業務報告や面談記録を早急にかつ時系列に沿って、確実に倒産の経緯やその報告、現在のその会社の格付け等を報告しましょう。
(8) 債権管理報告書・引当金報告書・格付変更報告書 :
各金融機関によって違いますが、正常先や要注意先での倒産の場合は、格付変更や引当金計上の手続きが発生します。これは、銀行内部での経理上、大変重要なことですので、経理部・主計部等との連絡が必要になる場合もあります。特に、決算時期3、9月末や4、10月初めの倒産時は銀行の決算に多大な影響を及ぼしますのでその報告は正確かつ迅速に行いましょう。
(9) 保全処分命令等の確認 :
法的倒産の場合は、裁判所より、保全処分命令が発せられた場合は、金銭債務の弁済禁止、重要財産の処分禁止等の仮処分、が行われます。金融機関としては、その後出来る保全強化は基本的に否認されます。保全処分命令が出されたどうか、又、いつ出されたのか、確認しましょう。
(10) メイン銀行や他行の動向 :
他行がどのような対応を取っているのか、分かる範囲で情報収集していきましょう。
(11) 債権者説明会 :
債権者集会とは別に、債権者説明会が中堅規模以上の企業倒産ではとりおこなわれます。ここでは、一切の決定事項はなされませんが、情報収集の観点から、出来る限り参加しましょう。