TOP > 連載 > 金融リテラシー調査

第1回 リスク理解度の低い毎月分配型投信経験者|金融リテラシー調査

著者:金融リテラシー研究所

 金融リテラシー研究所では『金融リテラシー検定』(略称:キンケン)の開発に先立ち、『金融リテラシー調査』を実施しました。その結果、
●「株式投資経験者の36.1%が、価格が変動するリスク性金融商品を理解していない」
● 「毎月分配型投信のみ経験者は49.3%が外貨建て資産に投資していないと答えている」
(グラフ参照)
――など、投資家のリスク性商品に対する理解度の低さが浮き彫りになってきました。

 毎月分配型投信の目論見書や販売用資料、広告などには、為替変動リスクの説明として、
「当ファンドは外貨建て資産に投資を行っていますので、投資している国の通貨が円に対して強く(円安に)なれば当ファンドの基準価額の上昇要因となり、弱く(円高に)なれば当ファンドの基準価額の下落要因となります。」
など――と書いてあります。にもかかわらず、5割以上の購入者には為替変動リスクのことが伝わっていないのが現状のようです。ここで5割以上としたのは「外貨建て資産に投資しているのかどうか、わからない」と答えた人が13.3%いたからです。
当研究所の特別研究員を務める藤沢久美さん(シンクタンク・ソフィアバンク副代表)は以前から、「リテラシーの低い投資家に毎月分配ファンドを売ってしまったのではないか」という危惧をあらわしていました。まさに藤沢さんの危惧とおりの調査結果が出ています。

(2010/10/15 掲載)