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第1回 そもそも倒産とは?|取引先倒産!そのとき[銀行員ドットコム]

倒産といっても、子供の頃抱いていた会社の倒産と、実際の倒産には大きな違いがあるのは皆さんもご存じの通りです。「そごう」も「吉野屋」も一度は倒産しています。にもかかわらず、営業しています。そこでまず、倒産の定義を列挙します。倒産には、任意整理と法的整理があります。さらに法的整理には、再建型倒産と清算型の倒産があります。子供の頃抱いていた倒産は、この清算型倒産が当てはまります。そして、「そごう」や「マイカル」等は再建型倒産ということになります。

従来は、倒産の8割が私的整理を選択していましたが、現在は、民事再生が大変多く利用されています。簡単にそれぞれの特長を記載します。

(1) 任意整理:小規模企業・債権者が少ない場合に利用
(2) 会社更生:大企業の再建型、従業員が多い場合に利用
(3) 民事再生:中規模以上の再建型、手続き、申請が比較的容易、過去の和議法に基本的には近い
(4) 破産法:まさに皆さんがイメージしている倒産です。
(5) 特別清算:解散した株式会社が、迅速かつ公正な清算をするために、申立権者の申立により、裁判 所の監督のもとにおいて行われる法的清算手続ですので、いきなり、特別清算になることはありません
では、任意整理と法的整理について見ていきましょう。

【1】 任意整理(私的整理)

法律的なバックボーンはありません。 裁判手続によらないで、債権者集会や債権者委員会を組織し、債務者の財産と債務の処理を行う法的倒産処理手続によらない倒産処理手続です(再建型、清算型の両方がある)。
任意整理は、(1)予納金を納付できない場合、(2)小規模で債権者がまとまり易い場合、(3)裁判所等の監督を回避する場合、(4)裁判所の保全処分に頼らなくてもよい場合、等に利用されます。

【2】 法的整理

倒産5法と言われています。

再建型

会社更生法
民事再生
商法上の会社整理

会社整理型

破産法
商法上の特別清算