[室町紀行 第三話] 32年ぶりの「第九」 | 京都銀行 東京事務所 床本 敬三 氏
2012年5月3日京都コンサートホールで京都銀行創立70周年記念第九コンサートが開催される。縁あって合唱団の一員としてコンサートへの出演の機会を得た。学生時代の1980年に初めて「第九」を歌って以来実に32年ぶりとなる。
大学でグリークラブに勧誘されたことがきっかけで合唱を始めることとなった。それまで無縁の世界であり、楽才がないにもかかわらず入部。ハーモニーの快感に魅せられ、大学時代をよき仲間とともに過ごすことができ、出会いに感謝している。この原稿を書きつつ当時の定期演奏会などのパンフレットを久しぶりに眺めていると、演奏会の光景、歌い終わったあとの充実感、演奏会の打上げ会など暫し懐かしい思い出に浸ることができる。
卒業後も社会人合唱団でしばらく活動の機会を得たものの、20代までで、以降もっぱらカラオケのマイクに向かう以外は歌うことと縁遠くなってしまっていた。
そんな中、創立記念事業で第九コンサートが開催されることとなり、久しぶりに歌ってみたい、京都コンサートホールの舞台に立ちたいとの思いから、無謀にもチャレンジすることとなった次第である。
今回のコンサートは、大友直人氏の指揮による京都市交響楽団をバックに、ソリストには、森麻季、手嶋眞佐子、錦織健、三原剛の各氏をお迎えし、一般公募の合唱団員360余名とともにステージを創り上げる。
本年1月から合唱練習がスタートし、12回の全体練習で仕上げていかなければならない。学生時代に一度は暗譜していたはずであるが、記憶の欠落は激しく、一からのスタート。通勤途上や練習に向かう新幹線の車中で練習用CDを頼りに耳に覚えさせ、合唱練習に臨んでいる状況である。
360余名の合唱団員は合唱未経験者の方からベテランの方々まで様々であるが、練習を重ねるにつれレベルアップが実感され、私自身焦りとともに良い刺激を受けている。
本番での素晴らしいハーモニーを奏でるべく練習に励み、コンサート終了後の満足感を得ることを楽しみに歌いあげたいと思う。
この原稿がアップされる頃にはコンサートを終え、充実感いっぱいでいる自分を想像しつつ…
京都の地より Freude schöner Götterfunken ♪
最後に、この場をお借りすることをお許しいただき、合唱指導をいただいた小玉洋子氏をはじめ関係者の方々にお礼を申し上げます。
(2012/5/1 掲載)