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国際的なAML 規制動向を踏まえたガバナンス強化

トムソン・ロイター・マーケッツ株式会社 GRC 事業部 事業開発部長 和田 雅憲氏

AML(アンチ・マネー・ローンダリング)コンファレンス2015 講演より

金融機関を取り巻くAML規制の動向

国際的なAML規制強化の流れにより、日本の金融機関ではより一層の対応が求められております。AML規制の国際的な枠組みである金融活動作業部会(FATF)は2014年6月に日本政府に対し、迅速な法整備を求める声明を公表しました。それを踏まえ、日本政府はAML関連3法案(犯罪収益移転防止法改正案・国際テロリスト財産凍結法案・テロ資金提供処罰法改正案)を閣議決定し本法案を国会に提出しました。各金融機関へはこれらの法規制への対応が順次求められることになります。このような法規制への対応は一過性のものではありません。 今後も国際的な法規制の動向および自社ビジネスへの影響を注視しながら、継続的な対応が必要となります。

求められるガバナンス強化

金融庁が2014 年7月4日に公表した金融モニタリングレポート(※ 1) のテーマ別水平的レビューに盛り込まれております「反社会的勢力、マネー・ローンダリング(資金洗浄)への対応」では、金融機関における管理態勢の高度化、関連部門間(反社対応部署とマネー・ローンダリング対応部署、フロント部署とミドル・バック部署)の連携態勢、取引モニタリングシステムにおける実効性のある抽出基準の設定や見直しの状況などへの適切な対応が今後の課題として挙げられております。また、 2014年7月30日金融庁公表の金融検査結果事例集(※ 2)では、AML規制対応が個別の部門内では実行されていても、関係部門との連携不足により結果的に組織として不完全な対応に終始してしまう事例が散見されました。これらは組織横断的なAML規制対応の必要性を示唆していると考えられます。

金融機関においては、刻々と変わる規制環境に対して【①規制の調査、②リスク評価、③社内規程・業務手続きの策定/ 実装、④従業員への研修、⑤モニタリング/ プロセス管理、⑥内部監査/ 内部統制】の一連のプロセスを【内部監査・コンプライアンス・リスク管理・内部統制・オペレーション】など各部門と連携のもと管理する仕組み作りとガバナンスの強化がより一層求められます。

※ 1 2014年7月4日
金融庁「金融モニタリングレポートの公表について」  http://www.fsa.go.jp/news/26/20140704-5.html
※ 2 2014年7月30日
金融庁「金融検査結果事例集(平成25 事務年度版)」の公表について http://www.fsa.go.jp/news/26/ginkou/20140730-1.html
トムソン・ロイター ガバナンス・リスク・コンプライアンスソリューション の詳細情報:http://japan.thomsonreuters.com/grc/

トムソン・ロイターがご支援できること

弊社が提供するeGRC (Enterprise Governance, Risk and Compliance) ソフトウェア(図表1)は【内部監査・コンプライアンス・リスク管理業務・内部統制】において、【法規制の調査・リスク評価・対応策の企画・計画・実施・結果レビュー・報告書作成・問題管理】などの一連のプロセスを、一元的に管理する仕組みを提供します。これにより、組織横断的なAML規制対応の効率化とガバナンスの向上を図ることが可能です。また、トムソン・ロイターではAML規制の成立・変更情報、Eラーニング、スクリーニングツールなどAML規制対応を支援する包括的なソリューションを提供いたします。

【図表1】


AML(アンチ・マネー・ローンダリング)コンファレンス2015 講演より

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