取引先への付加価値提案のための太陽光ファンド投資
太陽光発電の市場は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」の導入により投資採算性が大幅に向上したことから、この3年間で急拡大しました。同時に、「グリーン投資減税」という税制の後押しも市場拡大に大きく寄与したと考えております。グリーン投資減税の即時償却制度は今年3月をもって終了しましたが、今年度は「生産性向上設備投資促進税制」による即時償却制度が一定の制約の下に活用可能であり、平成26年3月末までに設備認定された36円案件を中心に、お客様の投 資意欲は引き続き高いと感じております。
急速に市場が拡大する中、昨年度は売電価格の決定時期や出力抑制等、固定価格買取制度のルールに様々な変更が行われました。このような環境の下、当社では出力抑制について旧ルールが適用される案件を中心に匿名組合形式の太陽光ファンドおよび現物所有形式の太陽光発電所のご提案を行い、依然根強いお客様の投資ニーズにお応えしております。
当社が販売する太陽光ファンドは、匿名組合出資を通じてお客様へ一定の利回りと償却メリットを提供することが商品性のポイントです。当社グループが強みとする金融機能を活用し、SBI 証券が太陽光ファンドを募集、当社が金融商品仲介業者として販売を行っております。EPC には信用と実績のある業者を配し、発電所の設計・施工のみならず、20年間の保守・管理も委託しております。
また、当社の太陽光ファンドの特徴として、第三者が運用開始の 5年後に行使可能な買取オプションを保有しており、第三者が買取オプションを行使した場合には、5年間で投資期間が終了する仕組みとなっております。5年間で投資期間が終了することで、お客様にとっては運用機会を失うことにもつながりますが、お客様にはむしろ早期に資金が回収できる点をメリットと感じていただいております。加えて、太陽光発電所の完成後、売電開始直前にお客様から投資いただくため、太陽光発電所の開発にありがちな工事の遅延や、電力会社の系統接続の問題による売電開始の遅延などのリスクが極めて少ない点も特徴です。
現物所有の太陽光発電所と同様、太陽光ファンドでも初年度90%前後の償却メリットを享受いただけることから反響も大きく、また 1,000 万円程度から出資可能なことでお客様の裾野が広がり、これまでに 7 ファンド合計約 59億円(9月末現在)を販売いたしました。当社で取扱いのあるオペレーティングリースや法人保険と比較しても、高い損金率や高い利回りが見込めることから、多くのお客様にご好評いただいており、今年度は太陽光ファンドの販売を 100 億円規模に拡大する計画です。
当社は税理士・会計士事務所を中心とした全国約 400のパートナー企業と提携しており、パートナー企業のクライアントに対し、当社の強みである証券や保険、住宅ローン等、当社グループの商材を用いた様々な提案をさせていただいております。太陽光ファンドについても例外ではなく、オペレーティングリースの代替商品として、あるいはオペレーティングリースと比較し、為替リスクや利回りの面で優位性のある商品として、パートナー企業からご紹介いただいたお客様から非常に多くの成約実績をいただいております。また、税理士・会計士事務所の他、地方銀行を始めとする地域金融機関との間でビジネスマッチング契約をさせていただき、太陽光ファンドおよび現物所有形式の太陽光発電に興味関心があるお客様をご紹介いただく取り組みも始めており、今後も積極的に提携先を拡大する方針です。
「グリーン投資減税」の代替として活用されている「生産性向上設備投資促進税制」の即時償却制度も、来年の3月をもって終了となります。来年度は同税制の 50%特別償却制度を用いて、引き続き強い税の繰延ニーズにお応えしていきたいと考えております。具体的には金融機関からの借入を活用した太陽光ファンドの販売を検討しております。
しかしながら、「生産性向上設備投資促進税制」の 50%特別償却制度も来年度末をもって終了する時限措置であるため、今後の太陽光発電関連商品は、償却メリットを中核とした商品設計から、利回り追求を目的とした商品設計にしていく必要があります。また、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」と「グリーン投資減税」により太陽光発電の導入数は急激に増加しため、固定買取価格も他の再生エネルギーと比較し、毎年大きく下げております。利回りを目的とした商品を考える場合、今後は風力、小水力等、他の再生エネルギーも投資対象として検討していく必要があると考えております。
当社は今後も引き続き、税の繰延効果や高い利回りが期待できる特徴的な金融商品を多くのお客様へ提供していきたいと考えております。特に税務面に着目した商品については、商品を供給する側にも創意工夫が求められますが、そのようなところにこそビジネスのチャンスがあり、お客様へ新たなメリットをもたらしつつ、当社の成長につながる相乗効果が期待できると考えております。今後もお客様一人ひとりに最適な金融商品を提供する「日本最大の金融ディストリビューター」を目指し、魅力ある商品・サービスを提供してまいります。
※金融機関ドットヨム21号22ページに記事が掲載されています。
会 社 名 | SBI マネープラザ株式会社 |
---|---|
事業内容 |
|
代 表 者 | 代表取締役社長 太田 智彦 |
本 社 | 東京都港区六本木一丁目 6 番 1 号 |
設立年月日 | 2008 年 3 月 31 日 |
主要株主 | SBI グループ |
SBI グループ | www.sbi-moneyplaza.co.jp |
連絡先 | アライアンス推進部 ( 担当:土居・藤井 ) 03-6229-0878 |